資産のリバランス、リアロケーション
アセットアロケーションこそが資産運用の成否を決定付けるものだということを言いましたが、資産というのは上下するものです。つまり、最初に決めたバランスがずっと保たれることはありません。
たとえば、国内株式と外国株式と外国債券に、3:5:2という資産配分で投資したとしましょう。
1年後に国内の景気が冷え込み、外国の景気が良くなっていたとします。そうしたときに、仮に国内株式が下がって外国資産が上がっていたとすると、たとえば資産配分が1:6:3ということになったりもするかもしれません。
これでは、当初の目的を果たせません。アロケーションは目標の利回りとリスクを考慮したものなのに、それがくずれては計画自体がはたんしてしまいます。
そこで、1年に1回、あるいは適当な頻度で資産配分を見直す必要があります。具体的には、増えた資産を減らし、減った資産を増やすのです。
先の例で言えば、国内株式を増やし、外国株式と外国債券を減らすのです。このときおこなう方法としては、2つあります。
ひとつが、増えた資産を売却し、配分を調整するという方法。もうひとつが、減った資産を追加購入し、配分を調整するという方法です。
どちらでもリバランスは可能ですが、売却をおこなうと解約手数料や税金などがかかることになるので、できれば購入のほうで調整することが望まれます。
また、時間が経って目標の資産額が変わった場合は、リバランスではなくリアロケーションというものをおこないます。これは、資産配分自体をかえるということです。
リアロケーションは、人生目標や希望する生活水準、大きな経済の変化などがなければ、特におこなう機会はできないでしょう。